タシュケントのメトロとトラム

Network

Source: Uzbekistan Transport Sector Strategy 2006-2020 by ADB

Metro

地下鉄

タシュケント地下鉄の歴史は、1966年の大地震の後、1968年に計画が始まり、1972年に最初の路線であるChilonzor Lineの建設が始まった。1977年11月6日に9駅が開通し、1980年に全線(15.4km、12駅)が完成した。1984年、2番目の路線であるOzbekiston Line(14.8km、11駅)が開通した。

最近ではYunusobod Line(6.4km、6駅)が2001年に開通し、北部への延伸は現在建設中、2010年に開通予定である。4番目の路線、Sirghali Lineは計画中(8km)である。現在はこれらの3路線、総路線長36.2km、29駅で運営されている。

現在(2009年2月)の運賃は一律400Sum、昨年までは300Sumであった。乗車するときはトークン(珍しいプラスチック製、ブルー)を窓口で購入し、改札のポストに入れる。降車時の改札はない。入り口と出口があり、ウズベク語で書かれているようだが理解できないので人の流れを読んで行動した。以下、路線の要約。

1. Chilonzor Line(15.4km、12駅)、1977年開業
2. Ozbekiston Line(14.8km、11駅)、1984年開業
3. Yunusobod Line(6.4km、6駅)2001年開業、現在延伸中
4. Sirghali Line(8km)、計画中
http://www.urbanrail.net/as/tosh/tashkent.htm

鉄道システムは、モスクワタイプの4両編成で100mのプラットホームを使用している。軌道は1524mmゲージで第三軌道から電力(825V DC)を供給している。平均駅間は1400m、営業速度は 46 km/hである。ホームから第三軌道を確認しようとしたがよくわからなかった。

運営は国営企業であるToshkent Metropoliteni、一日当たりの乗客数は45万人とのこと。営業時間は06:00 - 1:00、ピークアワーの運行頻度は2分間隔である。 (1980年代のことかもしれない)

ADBの報告書によると1980年代後半は2路線で60万人/日であったが2006年には3路線で183,000人/日である。

タシュケント地下鉄駅の装飾

地下鉄駅が29駅あるが、同じデザインはない。それぞれ各駅にテーマがあり構内のデザインは建築家とウズベキスタンの芸術家によりデザインが決められ、内装はメタルの彫刻、ガラス、プラスチック、花崗岩、マーブル、陶磁器、石膏などが使用され、一駅一駅特徴のあるデザインが施されている。それらを説明する資料があるのだろうけど簡単には辿り着けそうにないのが残念だ。

いくつかの駅の観察から、地下鉄駅の装飾はウズベキスタンの産業や文化を反映 して綿花をモチーフにした照明の駅(Ozbekistan LineのUzbekiston駅)、モスク内部のようなデザインの駅(Alisher Navoiy)等、見受けられた。同じくOzbekiston LineのOybek駅からYunusobod LineのMing Oriq駅への連絡通路は松明の明かりで照らされた洞窟を歩いているような装飾と照明だ。

Yunusobod LineのBodomzor駅(Internatinal Business Center、インターコンチネンタルホテル)はアールヌーボーのようだ。その他、宮殿のようなPakhtakor駅、Pushkin駅、Chilanzar駅、Druzhby Narodov駅がある。

写真が撮れないので何らかの離れ業で撮影した写真を掲載しているサイトを紹介する。撮影禁止になったのは1999年のテロ以降なのでそれ以前に撮られたものなのかもしれない。

都市鉄道のサイト、こちらに若干駅構内の写真が掲載されている。

http://www.urbanrail.net/as/tosh/tashkent.htm

駅をクリックすると画像へリンクしている。

http://www.metrosoyuza.net/

撮影禁止

各地下鉄駅にはセキュリティガードが常にパトロールしている。ホーム構内、地上といたるところで見かける。地下鉄構内は軍事施設として位置づけられ、もちろん撮影禁止になっている。

トラム Tram

現在、運行している路線はNo.3, 6, 8, 9, 12, 13, 17, 18の8トラム路線、総延長122.4kmが運営され、No.6、No.3、No.17が乗降客数が多い。

運営組織は、Tashshahartranshizmat(Association of Tashkent City Transport Service)で、タシュケント市内の公共交通を提供する官民が出資する組織である。この傘下に38事業会社があり公共交通を運営している。トラムは、Tashelektrotrans Electric Transport Companyが担当している。

2009年3月現在、タシケントには2種類(車体カラーのみ分類、形式調査中)のトラムが運行している。一つは白地に黄緑色のライン(国旗の一番下のカラー)、もう一つは、ベージュだ。1996年にタシュケントへ来たときは白地に赤のラインだった。

バス Bus

EURO4適合のメルセデス・ベンツ製(イスタンブルで製造)がタシケントを走っている。日本のバスより洗練されMercedez Benz製のたバスがタシュケント市内を走っている。これは、イスタンブルのMercedez Benz工場で製造されたバスだ。見たところ、結構な乗客数だ。

2006年7月3日、タシュケント・バス交通の民営化に関する大統領令(Realization of state shares of Toshavtobustrans (Tashkent Bus Transport) to private property)が出され、国営企業であるToshavtobustransが民営化され、新たにタシュケントの旅客輸送を担うTashshahartranshizmatが設立され、2010年までに民営化される予定である。同時に外国銀行のクレジットラインにより2006-2007年に159台の新たなMercedes Benz製バス車輌を調達され、第二段階として362台のバス車輌の調達が予定されてる。料金は一律400Sum。(2009年8月)

トロリーバス

トロリーバスが市内にネットワークを形成していたが、近年、残念ながら路線が減少傾向にある。

10トロリーバス路線が運行され総延長は141km、122トロリーバスのうち朝のピーク時には98車輌が運行している。2002年時点で車輌数は213に増加しているとの報告があるが未確認である。我が家の前にもトロリーバス(シュコダ製)が走っている。ブレイクダウンしているトロリーバスをよく見かけるので老朽化が激しく、緊急に更新が必要と思われる。見たところ20年選手だろうな。先日、ヒヴァへ行ったが、ウルゲンチ−ヒヴァ間にトロリーバスが運行し、ここでは車輌の更新がされていた。

タクシー

ライセンスされているタクシー(タクシーと表示されている)と非ライセンスタクシーが混在しているが後者のが数が多そうな印象だ。どちらでも交渉なので大勢に影響はない。タクシーがいたるところで容易に乗車できるのは非常に便利だし、タクシー代金は交渉ながら安い。交渉しなくてもあまり違わない。4キロ程度(地下鉄駅3駅分)で2000-3000Sだ。ちょっとなら1000Sだ。車輌はウズベキスタン製のNexia、Matisが多い。Matisはスズキのマルチに似た小型車だ。もちろんLadaも現役である。一般的にホテルにたむろしているタクシーは倍以上の料金となる。DedemanからInternational Business Centreまで5000S、通常は2000程度だろうな。

無線タクシーがあり、電話すると来てくれる。料金は到着してから無線で走行距離を連絡して決めているが普通のタクシーより高目の設定だ。

タシケントの公共交通概観

タシュケントの公共交通機関は地下鉄、バス、ミニバス、トロリーバス、トラムから構成され、ミニバスが2002年頃から新たに参入した。交通需要は独立以降、大きく変化したが系統的な分析はこれまで行なわれず、その対応は場当たり的な対応に限定され、投資計画(2006-2010)が策定されているもものの、予算措置は未だにとられておらず、その結果、地下鉄3号線の延伸が滞っている。

乗降客数の推移

タシュケントの公共交通需要(2005年)は1.9百万人/日であり、2005年の対2001年では90%へ減少し、機関分担はバス利用が増加し、地下鉄、トラム、トロリーバス利用者が減少している。道路交通が増加し、軌道系(電気式公共交通)が2001年比で36.6%から20.2%へ減少している。内訳では地下鉄が37%減、トラムが57%減、トロリーバスが77%減である。

機関分担比率

2005年の機関分担率は、地下鉄12.5%、バス54.1%、トラム6%、トロリーバス1.7%、ミニバス23%である。ミニバスは路線を民間企業へフランチャイズする方式で運営されており、運行ルートの拡大と運行頻度の増加により利用者が増加した。一方、ミニバスへ利用者がシフトしたことから、バス、トロリーバスの利用者数が減少した。地下鉄はタシュケント公共交通の基幹交通機関であり、サービスレベルの向上による利用者の増加が期待されている。

課題と今後

その課題として料金システムがあり、地下鉄は地下鉄だけに有効なトークンを利用しているため、他の公共交通機関との共通性がないため、利便性が低い。そのため全ての公共交通機関で利用できるチケッティングシステムの導入が必要である。

トラムの近代化、軌道リハビリと車輌の更新、も公共交通機関としての大きな課題である。現在、新たな車輌が導入され、軌道も順次、リハビリテーションが進んでいるが道路建設と同様、その質が懸念される。

トロリーバスは電力を動力源とする交通機関であり、昨今の環境問題からは受容され、且つ、静かである。ソ連時代に整備された広範なネットワークがあるものの、車輌の老朽化によるサービスレベルの低下による他の公共交通機関との競争力が低いことが課題である。(2009年5月)

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